吉凶分け

各相性を 吉・凶 でバッサリ分けますと以下の通りとなります。

吉 … 業・栄・成・友・親
凶 … 命・胎・衰・危・壊
平 … 安


「平」は吉凶どちらでもないということです。
ちなみに、相性は必ずセットとなりますので、
「自分にとって吉の場合は相手にとって凶」
となります。
(【命】【安】【栄親】除く。ただし【栄親】も正確には対等な共栄関係ではない)

実はここが西洋占星術など他の占いとは大きく異なる点です。
普通、占いで相性と言えば「良い相性はお互いにとって良い相性」であり、相互に盛り立てて栄えていく関係にあります。

ところが宿曜占星術の場合は必ずどちらかが相手を使役し続けたり、支配したり、攻撃する側・される側となります。
つまり西洋のようにギブ・アンド・テイクという発想がなく、ギブ側は一生ギブ、テイクされることはないという一方通行の関係なわけです。

西洋では考えられないし、現実の人間関係としても“あり得ない”ことですが、これは後述するように中国独特の考えから生まれた相性です。

とりあえずは、ざっくりこの吉凶を覚えてください。


1.命の関係

【命】は同じ宿同士の関係です。

性格が似ているため相性は良さそうな気もしますが、宿曜占星術では「凶」とされています。

以下、詳細は略します。

2.業胎の関係

【業】前世の自分であるとされ、深い因縁を覚えます。相手を使役します。
【胎】来世の自分であるとされ、深い因縁を覚えます。相手に使役されます。

使役する側・される側となる関係です。
使役する側の【業】が吉、使役される側の【胎】が凶です。

「前世の自分」や「来世の自分」という言い方は仏教の輪廻転生思想に基づく独特の発想ですのであまりこだわらなくていいです。

※当サイトではギリシャ系の占星術を基本とし、月の星座を前世と見ていますので、当サイトで言う「前世」とは【業】のことではありません。

3.栄親の関係

【栄】の相手と付き合うと栄えます。吉。
【親】の相手と付き合うと与えることで自分が成長出来ます。吉。

親しみ合って栄える関係で、宿曜占星術において唯一「お互いにとって良い関係」とされます。

4.危成の関係

【危】の相手と付き合うと剋され(抑え付けられ)ます。相手から危険を及ぼされ、凶。
【成】の相手を剋すことが出来ます。相手を思う通りにして願いを遂げられます。吉。

5.友衰の関係

【友】の相手から好かれて尽くされます。吉。
【衰】の相手を好きになり尽くします。凶。

6.安壊の関係

【安】の相手の運命を破壊し、人生を破綻させるため自分は安全です。平。
【壊】の相手から運命を破壊され、人生を破綻させます。大凶。

出ました恐怖の【安壊】です。

日本では古来より敵を滅ぼすための謀略として使われていたくらいですから、【壊】の相手と付き合ってはいけないとされています。

過酷な相性結果について

以上が各相性の簡単な紹介ですが、【安壊】のみ補足しておきます。

「安壊カップルは借金を負って夜逃げする」
「壊と付き合うと死ぬ」
そんな恐ろしい噂話が今でも掲示板で飛び交っています。

どんなに好きでも、性格的な適合とは関係なしに「運命に暗い影を落とす」ので離れなければいけないらしいです。
親や上司など目上の者が【壊】ならまだマシで、目下の者が【壊】であった場合は殺人沙汰ともなり得るとのこと。

源頼朝が女宿で、義経が氏宿の【安壊】関係だったのが典型例として挙げられています。
ご存知の通り、最後は義経が実兄に殺されるという悲惨な結果となりました。


このように最悪の悲劇をもたらし得る関係ですが、むしろその刺激からか【安壊】は激しく惹かれ合ってしまうそうです。
【命】以上に一気に恋が燃え上がって不倫に走りやすいのもこの関係と言われています。
しかも別れ話のもつれで刃傷沙汰に発展したり、愛情が憎しみに変わっていつまでも怨み続けることも多いとされます。



こればかりは私も経験なく、身近に破綻した実例も見たことがないので何とも申し上げられません。
このように脅迫的な相性診断をするのは、およそ占いの常識として考えられないことだし占い師の禁忌たる最上級のものだと思います。
しかし密教で隠され口伝されてきたということは、民を脅す目的での創作でないことは確かでしょう。つまり「先祖の霊が付いているからこのままだと死ぬ」と言って壺を買わせるような類の目的ではないのだということ。では何かデータに基づく結果なのだろうか…と考えています。

ですからあまり安易に、「気にしなくていい」などと言って【安壊】カップルの後押しをしてしまうことも危険なのでやめておきます。


(以下、修正)
★2014年5月時点での『宿曜占星術の相性について、雑感』


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※2014/5/29 修正